ダンスが小学校・中学校の指導要綱に加わり数年がたちました。
皆さんは学校でも楽しく踊っていますか?
筆者は子供時代、「踊っている暇があったら、勉強しなさい!」
とよく怒られたものです。
ダンスが学校に指導要綱に加えられた背景にはいろいろな理由がありますが、ここでは『ダンスをすると頭が良くなるのか』ということについて考えてみたいと思います。
近年の脳科学研究において、適度な運動は脳の活性化を促すことが証明されています。
有酸素運動によって、神経細胞の成長・増加に必要な「脳由来神経栄養因子」が分泌され、
情報伝達や記憶の定着の役割を果たすニューロンの形成を促すことで活性化されるといわれています。
また、有酸素運動により脳に適度な酸素が送られることで脳血管の形成も促進されます。
それでは、適度な有酸素運動の中でも、なぜ、ダンスがよいのでしょうか?
ジョギングなどの単純な運動に比べて、技能習得系の運動の方が習得し技術が上がるたびに
脳内の報酬系領域が刺激され、ドーパミンの分泌が増加します。
小さな成功体験の積み重ねにより、自信がつくだけでなく物事へのやる気が出るようになるということです。
自己肯定感が他の物事への積極的な意欲にもつながるのですね。
また、規則的なリズムに合わせた動きよりも、不規則的なリズムに合わせた動きの方が
脳の可塑性が向上したというデータも発表されています。
1991年に脳科学者ダマシオ・アントニオが唱えた、ソマティックマーカー仮説というものがあります。
一般的に、論理的な意思決定と情動(感情や身体感覚)は相反するものとして考えられていますが、
この仮説は、論理的な意思決定と情動は密接に関係しているとしています。
(異を唱える学者も存在し、現在も研究と議論は続けられています)
物事を感じ、その感情を表に出す芸術の中でも、ダンスのような身体感覚を鍛えるものは
情動をつかさどる脳の部位を鍛えることが可能になります。
これによって、論理的かつ相手への共感性をも持ちえたバランスの良い人格形成が可能となるかもしれません。
、、、ただ、学校の成績を上げるためにはダンスばかりやっていてはだめですよ。
学校の授業やテキストから学べる知識はたくさんあり、あくまでもその定着や発想の転換にダンスが役に立つということですね。
品川シーサイドバレエスタジオの生徒さんは放課後、スタジオに到着してから
幼児クラスの生徒さんがクラスを受けている間に学校の宿題を済ませ、
ストレッチをし、それからレッスンに励んでいます。
講師の私も目を見張る努力家さんたちが多いです。
あなたもお勉強もダンスもできる素敵なダンサーの仲間になりませんか?
スタジオの扉はいつでもあいていますよ。